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と、無駄に熱く語ったところで、あいつに食事をさせるべく作戦を開始する。
「あ、あのさ!8時まで待ってたら腹減るし。お前ここで晩飯頼めば?俺は帰ってからテキトーに何か食うし!」
あいつが何か反応を示す前に、ゴリ押しで料理を薦めていく。
「あ、これは?うちの和風ハンバーグ結構美味しいし、サラダバーも付けられるから!!……あ、ハンバーグ嫌だったらパスタも色々あるし!!」
前屈みになって、見開きメニューの写真を指差しながら、何とかして霧島に食事をさせようと躍起になる。
そんな俺の必死のアピールを、特に興味無さげな様子で黙って静観するあいつ。
俺の息が途切れたところで、何の未練もなくメニュー表を閉じてしまった。
固まる俺に、残念な決定事項をその唇が告げてくる。
「食事はなしでいい。ドリンクバーだけ頼んでおいて。」
ん!っとメニュー表を返却してくるあいつに感じる戸惑い。
「え?なんで?……なんで食べねーの?」
今までのファミレス人生の中で、一番頑張ってお薦めしたにも関わらず、呆気なく却下されて、到底納得できない頭が眉間に深い縦皺を刻む。
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