5 years later

26/114
前へ
/1072ページ
次へ
華々しくプロバスケ選手として活躍するあいつに対して、全国何百店舗を有するファミレス企業の一社員に過ぎない俺。 しかも、優秀な社員として採用されたわけでも何でもなくて、店長のツテで引っ張ってもらった平社員。 あいつとつき合ってから、丸6年。 高校の時も俺があいつに釣り合ってないって、散々周りから言われてきたけど……。 きっと今が一番――――俺とあいつの差が、開き切ってる。 もう大人だし、学生時代のように直接あいつのファンから何か言われるなんてことはないけど。 何も言われないからこそ、俺自身があいつに対して勝手に引け目を感じてる。 でもあいつの傍にいたい。 あいつの恋人でいたい。 その想いは、何があっても決して変わるものではなくて。 だからこそ………… 早く結婚したい。 結婚したからって、お互いの立場や、このすれ違いの生活が、変わるわけじゃないってことくらいわかってる。 それでも、この先ずっとあいつの隣にいていいんだっていう、揺るぎない約束が欲しい。 ……そう思ってるのは、俺だけ? お前はもう、結婚願望持ってないの?
/1072ページ

最初のコメントを投稿しよう!

516人が本棚に入れています
本棚に追加