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食事を担当する身としての不甲斐なさを憂いながら、自分も白飯の盛られた茶碗を持ち上げたところで、正面から漏れてくる笑い声。 「……人参、結構な固さ。」 「………………。」 クククと苦笑されて、一層バツが悪くなる。 急いで作りすぎて、火の通りが甘かったらしい。 ……まぁ、これも。 よくある出来事。 「どうだった?井伊と佐々木の結婚式。」 固い人参もすべて平らげた後、麦茶を啜りながら俺に視線を寄越すあいつ。 「んー、よかったよ。……あ、写真見る?」 昨日必死になって撮りまくったデジカメを渡すと、データを再生した直後、あいつの口が堪えきれない笑いを吹き出す。 「……おまえ。カメラのセンス、さすがだな。」 ニヤニヤと嫌みを言われて、じとっと目を細めて対抗する。 「ちゃんと撮れてるのもあるっつーの!ちょっと貸せ!!」 ローテーブルを挟んだ正面から、あいつの真横へ移動すると、無理矢理カメラを奪ってコマ送りを連打する。 「これ」と一枚だけ撮れた奇跡の写真を突き出すと、柔らかな表情で液晶画面を見つめるあいつ。 「へぇ……。佐々木、綺麗になったじゃん。井伊は変わらないな。」
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