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翌朝、カーテンの隙間から射し込むまばゆい陽の光で目が覚める。
昨日、抱きしめて眠ったはずのあいつは、もう腕の中にはいなくて。
しんと静まり返った室内が、既にあいつが出掛けたことを知らせていた。
シーズン中の霧島のスケジュールは、午前中に自主トレーニング、午後から日が暮れるまではチームの練習に参加する、というのが通常のパターンになっている。
だから俺の夜勤が続くと、あいつとの活動時間が真逆になり、必然的にあいつの寝顔しか拝めない日が延々と続いてしまう。
近視でぼやける視界に眼鏡をかけ、のっそりと起き上がると、壁に吊るしてあるカレンダーへ歩を進める。
本日の日付を指でなぞり、書きなぐられた今後のシフトを確認する。
今日が夜勤で明日も夜勤。
その次もその次も……。
あまりの連続夜間勤務に、日付を指で追うのも億劫になってきて、現実逃避をするようにパッとカレンダーに背を向けると、勢いよく左右のカーテンを全開にした。
全身に浴びる太陽。
ようやく覚醒した寝起きの頭に、仕事の時間までに片付けなければならないことを叩き込んでいく。
「……とりあえず、洗濯。んで、食材の買い出し。」
それが済んだら、自分の昼飯とあいつに残しておく晩飯の準備……に、風呂の掃除。
時刻はもう午前9時。
たらたらしてたら、あっという間に夕方になる!!
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