不安-2

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ゆいはまた涙を零(コボ)していた。 「…でも…私に…隙があったから…。」 「…俺がそんな風に思わせたんだな…。すまなかった。…ゆい。お前に隙があるなんて言った俺が間違ってた。おまえに近づく男に嫉妬して、それをお前にぶつけてしまった。お前は今まで通りにしてればいい。」 「…ホントに……?」 「もちろんだ。…悪かった。…俺は思ったより嫉妬深いらしい。」 「…秀一さんが?」 「…俺も自分で初めて気付いた。」 ゆいの目が笑った。 俺はゆいを抱き締め、もう一度キスをした。 もう… 唇は震えていなかった。 「…悩んでいるなら教えてほしい。不安なことも言ってくれ。どんな時も、どんなゆいも好きでいる。…お前が思っている以上に俺はお前に惚れている。」 ゆいは驚いたように一瞬目を見開いたが、すぐに俺の胸に顔を埋めて小さく言った。 「…私も…秀一さんが思ってる以上に好きですよ。」
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