少年、現実を知る

7/23

221人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
あと、この部屋はどうやら、前はリアの父が使っていたみたいだ。 入ったとき、床に紙切れが落ちているのを見つけた。 表には“かたたたき”、裏には“パパたんじょうびおめでとう リアより”。勿論日本語じゃないぞ。 ……その紙切れ一枚が、地球より重く感じたね。持ったこと無いけど。 他が綺麗さっぱり片付いてるところからして、多分、リアが偶々落としたんだろう。 リアに知らせると気まずくなりそうなので、こっそり引き出しに仕舞っておいた。 「よく眠れましたか?」 「あぁ、そりゃもう」 リアの過去が気になって中々眠れませんでしたよ。 ……なんて言わないけど。 それより、今日は俺の脱フリーター記念日(予定)なのだ!! ギルド!!よく聞けば胸アツな言葉じゃないかッ!! 「私は朝食を作りますね。洗濯物は洗面所の白い篭に入れておいてください」 む……。本当に奥さん、てかお母さんみたいな天使だな。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

221人が本棚に入れています
本棚に追加