少年、現実を知る

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俺がちゃっかり手袋も嵌めていると、リアも茶色い毛皮のコートを着て、黒い手袋を嵌めていた。 いやぁ、よく似合ってる。 「じゃあ、行きましょう!」 「おう!」 ──────── 外に出た。寒かった。 と言うか、街が一面雪化粧。 「ふぅ……。今日はちょっと冷えますね」 こ、これでちょっとなのか……。 流石雪国の娘だ…………。 と言うか、朝っぱらからめっちゃ人が居るんだけど。 あぁ、雪掻きか……。雪国は大変なんだな。 「大分積もってんな」 「そうですか?これ位は珍しいことでも無いですよ?」 これで普通なのか。 今は何人かが手から火を出して雪を溶かしてるけど、少なくとも膝丈位までは積もってたんだろう。 東京じゃ1、2cm積もればチルドレンが「積もった~!」なんて言ってはしゃぐのに。
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