少年、現実を知る

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「かなり広いんだな……」 「そうですね。闘技室とか武器屋とかもありますから」 物騒なシンデ○ラ城ですな。 中は早朝ということもあってか、殆ど人が居ない。 何人かがお茶会っぽいのをやってる程度だ。 そんな中、カウンターで欠伸をしながら書類を眺めている赤いショートヘアの女性。 なんか目付き悪いけど、多分あの人が受付だろう。 「ビジーさん、お早うございます」 ビジーと呼ばれたその女性が、リアの挨拶に反応して顔を上げた。 「……おぅ、リアか。どうした?こんな朝っぱらから」 ビジーさんは気だるそうに、ハスキーな声でリアに問い掛けた。 ……あの人怖ぇ!! さりげなくギロッて睨まれた!! 俺、なんか悪いことした!? 「あっ、今日はこの人をギルドに登録させようと思って……」 「……誰だこいつ」 「居候のカオルさんです!」 「……あっそ。測定室で測ってこい。そしたらまた声かけな」 ビジーさんはそう言い捨てると、また書類に目をやった。 なんか、蛇に睨まれた蛙の気持ちが分かった気がする…………。 「……てめぇ、何か失礼なこと考えなかったか?」 「い、いえ!滅相もない!!」 ……怖ぇ…………!!
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