少年、現実を知る

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「そっか、氷か……」 この国じゃ一番要らない属性だろ。 どうせなら火属性とか……。 ……熱属性って、極寒のこの国のためにあるような属性じゃないか。 いつでも何処でもぽっかぽかに出来るんだろ? 何その便利属性。 「じゃあ、ビジーさんに報告しに行きましょう!」 ──てことで、再び受付前に。 「ビジーさん、カオルさんの属性は氷でした」 「ふぅん、珍しいな。じゃあカードを作るから、これに魔力を流せ」 ビジーさんが差し出したのは、名刺サイズの真っ白なカード。 よく分からんが、とりま魔力を流すと、カードが淡く光った。 「よし、OK。おい、そこの。フルネームは?」 「え?あ、カオル=ユキシロです」 「ん。昼過ぎにはカードが出来ると思うから、後で取りに来な」 そう言ってまた書類に目をやるビジーさん。 「それじゃあ、一旦帰りましょうか」 「ん?お、おぅ……」 えっ、何だったんだ今の?
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