少年、現実を知る

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「よっしゃあ!やる気出てきたぁ!!」 「あっ!?カオル!先に行かないでください!!」 テンションMAXになってギルドを飛び出した俺を、リアが必死に追いかける。 「……チッ。ガキが人前でいちゃつきやがって……」 そんな俺達を見て、小さく舌打ちをする独身29歳。 そんな彼女の目には、苛立ちと共に悲しみや焦りの色が見えたのだった。 ──────── 「……寒ッ!?」 あれだけ走ったのにまだ寒いだと!? 実のところ、寒さに耐えきれなくなって走り出したのに……。 「ハァ……ハァ…………。急に、走り出さないでくださいよ…………」 「悪かった悪かった」 この寒さでジッとしてろって方が無茶な話だ。 ……早くこの寒さに慣れないとな。 さて、走りまくって辿り着いたのは、何やら見覚えのある森。 と言うか、最初に俺が倒れた森だ。
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