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「……馬鹿な……。俺は間違いなく奴のを切り落とす勢いで振り下ろした筈……」
さり気なく何か物騒な事を呟いてんじゃねーよおっさん……。
本当に俺の股間が切り落とされていたらどうするつもりだったんだ。
てか待てよーーそれよりもさっき夢なのに痛みを感じなかっただろうか?
そこで一つの疑問が浮上した俺は、すかさず自分の両の頬を抓る事に。
「…………」
あ、あれ、痛い……。
俺が驚愕の事実に打ちのめされていると、騎士のさらに後方から今し方のあの白い馬車が現れた。
それを見やるや否や、慌てふためくように道を譲り出す野次馬の群。
「何だ何だ」
さっきまで人々で埋め尽くされてた広場に、ポッカリと一つの何もない空間が出来上がった。
蹄の地を踏みしめる音が徐々に小さくなると、辺りに何とも言えぬ緊張感のようなものが張り詰める。
そして一間を置き、中から一人の女性が徐に姿を表した。
白いロングドレスを着飾った金髪碧眼の美しい女性。それも傾国と呼ぶに相応しい程の。
要約すると俺好みのお姉さんだった。
何故か跳ね上がる心臓。
何故か内股で見開かれていく双眸。
俺がいま全裸だって事も加味され、行き交うギャラリー達にはさながら変態のように映っていたかもしれない。
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