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「……転生って、あの架空の物語に良く登場する奴だろ? つか、何でいきなり俺が転生したとかって話になってるんだよ」
「だって、君服を着てないじゃない」
そう言いクスクス笑い出すユナスちゃん。
「…………」
いや、判断材料そこかい……。
と、心中突っ込む俺。
その理論でいくんだったら、アーノルド様も転生したって事になるじゃないのか。
ターミ○ーターってそんなパロディー溢れる物語だったっけ……。
まあ、確かに今の俺はターミネ○ター見たいな格好はしてるけどさ。全裸だし。
俺がそんな事を考えていると目の前のユナスさん。
「君の力、私にも見せて貰えないかしら」
「は?」
何言ってんだコイツ。戦闘民族か何かかよお前。
俺が口をあんぐり開け驚いていると、ユナスは有無を言わさず仕掛けてきた。
「わわッ!!」
四方に現れた無数の光球は、それぞれが意思を通わせるかのように縦横無尽に駆け回り始める。
一通り空を飛翔した後、その内の一つが俺の元へ接近。
本格的にヤバイと思ったその瞬間、意識が何処かへと飛ぶ、そんな奇妙な感覚に襲われた。
あれ、この感覚前にもーー。
その後の事は、意識が混濁してはっきりとは覚えていない。
泥酔した時の感覚に近いと言えば分かるのだろうか?
泥酔した事はないが。
そして、再び意識が覚醒した時には全てが静止していた。
厳密にいうと、攻撃意思を持った光球だけがその色を失ったかのように空中で止まっていた。
「……“事象凍結”。ラフェイルの得意技だったわね」
ユナスは神妙な面持ちでそう言うと、パチンと指を鳴らしそれと同時に出現した全ての光球がこの空間から消え去った。
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