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邪神 side
それは突然の事だった。
唐突に舞い込んできた嵐は、いつまでもとどまり続ける俺の事を嘲笑っているのかのように、俺ごと巻き込んで自由の海へ引き連れていく。
『突拍子もない変なやつ』
それが、初めてあった彼女への印象だった……
ーーーーーーーー
カチリ……!と、どこからとも無くスイッチが聞こえ、暗い部屋に身を投じていた俺は、自身の足元に魔法で映像を映す。
……………………何者かが侵入したな。
まあ、いい。どうせ道に迷った雑魚が運よく入ってきたか、雑魚の腐った勇者だろう。あいつらは大抵は初歩的なもので塵と化す。馬鹿な奴らだ。
でも、違和感がすこしだけあるな。
まっ。トラップに引っかかって死ぬだけだからな。マヌケな奴だろう。
そう思っていたのは10分前の俺である。
「はぁ………はぁ…………はぁ……」
何だこいつは!?
あの速さを抜けてきただと!?
あのトラップで死んだ奴等が何人もいると言うのに…………
しかも床には特殊な魔法をかけておいた為足場も相当悪かったはずである。他のトラップはスルーされたからな……
まぁ、血の後始末も面倒なのが幾つかあるため、その点については助かってはいるかもしれないが。
!!!
こっちに近付いて来る!!!
「ふぅ………………」
………………何だこいつは。いきなり休憩を扉の前でし始めたんだが。警戒した自分が馬鹿にみえてきたな。にしても警戒心がないのかこいつは……
その度胸があるのか無いのか分からない態度と、俺の想像を飛んだ発想転換を仕掛けてくる行動だったからかもしれないが、こいつは今まで来た中でただ一人、異質な雰囲気を放っていた。
俺はこいつに興味がわいたのかもしれない。
「そこにいるのは誰だ?」
試しに話しかけてみることから始めるとしよう。
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