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「怖くないのか?」
「全然。大丈夫ダイジョウブ!!」
その笑顔が、逆に俺にとっては恐ろしく思えるのだが……
「……………………………本当か?」
「うん。」
ニコリと元気さを含め答えを肯定する少女。
「そうか。」
そこまで断言されるなら、少女の言っていることは本当なのかもしれない。
「あっ。私の作ったお弁当一緒に食べよっ!」
「それは無理だ。封印されているからな。」
「なら髪様に聞いてみるよ。」
…………神に?
「何を言っているんだ?そんなことできる訳が無い。」
するとアイツは黒と白の四角い物を取り出して、何か指を動かして操作をしているかと思えば、いつの間にか耳元に当てていた。
ポチッ
ガチャッ
「もしもし髪様?あの時は…………」
そう言って奥の方に行ったみたいだ。
………おかしな奴だ。
俺のことを怖くないと言ったり、嬉しそうに飛び跳ねたり、突然自分のことを変人と言ったり、挙げ句には俺を封印から解こうとしている。今は神と話しているらしい。
……………………馬鹿馬鹿しい。
でも、
俺はそんなにアイツのことを嫌ってはいないようだ。何かと興味がわいた。
「フッ………」
気がつくと俺は表情が緩み、今後の期待感に胸を膨らませていた。
「…………私大暴れしちゃうもんねっ。」
……いったいどうなったらその言葉が出てくるんだ?
しかも、通話の相手は……一応は神様だぞ?本当かどうか確証はないが。
ん?戻ってきたな。
「髪様がOKだって。」(゚∇^d)グッ!!
「…………………………………嘘だろ………」
神が許可した…だと……
「と言うことでソイヤッ」
破壊音が当たりに響き渡り、瓦礫が崩れる音がした。
…あの扉を蹴って破壊しただと…
…………!!
暗闇から一筋の光が差し、新しく開かれた世界へと続く穴の正面には、扉を壊した少女の影が伸びている。
その少女は全体的に白髪の髪だが、先の方が黒くなっており二つの色を持ち合わせている。肌は雪ように白く、瞳は夜空の色に輝いている。女性らしい華奢な体に、小さな手。しかし、少女の中には壮大な無限の可能性を秘めていた。
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