第1話

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いつか必ず迎えに来るから―― その言葉を言われたのは何年前だろう 私は星を見ながらそんな事を考えていた 「お嬢様 そのような所におられるとお風邪を引かれてしまいますよ」 執事の藤山がそう言って窓を閉める 「星も見ちゃいけないの?」 「そのような事は申しておりません ただ…」 「はいはい 分かったわよ」 「お嬢様…!」 今日もいつも通りの日々が過ぎていく きっと明日も… そんな事を思いながら私は部屋を出た 「お嬢様おはようございます 起床のお時間ですよ」 「ん…?もう…?」 「はい」 「もうちょっとだけ寝かせて…」 「ダメです 本日もご予定が沢山ございますので」 「え~…」 「我が儘を言ってはいけませんよ さぁ早く起きて下さい」 「うぅ~…」 私は仕方なく起き支度を始める 「朝食の準備は出来ておりますのでご支度が済みましたらいらして下さい」 「分かったわよ」 「では失礼致します」 私はクローゼットルームから制服を取りだし髪を整える そしてカバンを持って部屋を出た 「おはようございます お嬢様」 「おはよう」 メイド達と挨拶を交わしつつ食堂に向かう 「おはようございます お嬢様 こちらにどうぞ」 「ありがとう」 「本日のメニューは…」 「説明はいいわ」 「そうですか…」 「いただきます」 私が食べている時さえも藤山は今日の予定の事を言ってくる 「本日は学校から帰ってこられた後…」 「後で聞くわよ」 「承知致しました」 食事を終えリムジンに乗り込むと藤山がまた予定を伝えてきた それを私は窓の外を流れる景色を見ながら聞いていた
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