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窓口の女性も、驚いたように後方を見ている。その隙に俺はエレベーターに向かって歩き出す。
目指すは707号室。
エレベーターのボタンを押そうとしたとき、指が動かなくなっていることに気付いた。
手が、動かない。
でも腕は動く。
俺は右の肘を使ってボタンを押し、エレベーターに乗り込んだ。
詩織、詩織、詩織。
言葉だけじゃ信じられない。
お前の顔を見るまでは、まだ。
エレベーターが7階で止まる。扉が開くと同時に飛び出し、707号室を探した。
医者や看護師がバタバタ入っていく部屋が見えた。
あそこか!?
707号室の引き戸は開いている。
「詩織!!」
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