第6話 輪島浩二編③

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 俺はぽつんと取り残された。  詩織のいる病室はわからないが、おそらく、詩織の両親が来ているだろう。そこに行けば、俺は殺されるかもしれない。  ……その方がいいかな。  ……詩織。  お前がやること為すこと重たくってさ。  俺、そんなに背中広くないしさ。  そうやって、お前のこと、背負う努力をしなかったな。  自分の夢のことでいっぱいいっぱいになって、お前が何も言わないからって甘えてばっかりだったな。  ……けどさ。  何も死ぬことはないだろ?  ……全部、俺のせいだ。  昨日の火事だって、俺がアンケートに答えたから。  ……そうだ、アンケートだ。  アンケートの選択肢だ。  俺はハッとして、デニムのポケットから携帯を取出し、コスモポリタンのサイトを開いた。
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