光輝

6/21
前へ
/80ページ
次へ
「何施設の仕事サボって酒飲んどるだ!アホたれ!!」 白髪でやや目立つ顔の皺、見たところ60代の男だ。 彼はシヴァを怒鳴り付け拳骨を喰らわせる。 じわりと広がる痛みにシヴァは少し目に涙を浮かべる。 「じっ、じいちゃん…今日仕事じゃないの?ってか痛てー!!」 「早く終わったんだ。それで帰ってきたらこの有り様、未成年で酒なんて飲むな!!」 怒鳴りながらも優しさが垣間見える。 実際はシヴァの身体を気づかい心配しているのだ。 シヴァもそれを理解してるからこそ、反発してこない。 「で、じいちゃん今日の報酬は?」 「まぁ、雀の涙ほどだよ。散々働いて今日の飯代くらいだ。全く、これだから上の立場の人間は嫌いなんだ。」 弱者の労働は基本的に与えられるが、奴隷同様の過酷な環境と差別、低賃金、過酷故に死することもざらではない。 しかし生きる為この残された選択を選ぶ他ないのだ。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加