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3人は両親の記憶が断片的なものしかない。それほど幼き頃に両親失っている。
“権力による惨殺で”
それ故、施設の長であるこの老人、アーギュスト・アッセルが親代わりとなりここまで育て上げた。
3人ともアッセルを親同然と感じ、そこはかとなく恩を感じている。
そして青年へと逞しき成長を遂げて、その恩を返すべく働きに出ている。
“少しでもアッセルの負担を軽減させるため”
「じいさん、俺たちが働いて少しでも恩を返せればと思っている。今度は俺たちが施設を守り、じいさんの負担を減らす!」
「そうだって!!じーさんは楽にしてな!」
パイソンは独特の堅い口調で、レアーは気楽な口調で、想いを述べる。
「お前たち……本当に逞しくなったな……」
アッセルは目に涙を浮かべ、声音を詰まらせながら言う。
「あ!!そうだ“アレ”やんなきゃ!!皆見てろよー!!」
突然シヴァは声音を上げて言う。まだアルコールが抜けていないせいか場の状況の察知が出来ていないようだ。
「お前なあー…まあいい早くやれ」
アッセルは溜め息を吐くも、嬉しそうに承諾する。
他の者たちも笑いながら促す。
全員何をするか理解しているからだ。
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