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人里離れた山の中。
高くそびえるこの古びた塔に、村人を脅かす魔王がいるらしい。
リックは近くの茂みに身を隠し、あどけなさの残る顔に緊張をにじませながら、じっと様子をうかがっていた。
塔の入口には、門番らしきオークが二匹。
決して厄介な敵ではないが、中に他の敵が控えているかもしれず、単純に突撃していっていいものかどうか、悩むところである。
「さて、どうする?」
アークが、ちょっと試すように問い掛けた。
まだまだ初心者のリックと違い、状況を楽しんでいるような余裕も見える。
「やっぱりここは、慎重に行った方がいいと思う」
『そぉよね!無駄な危険は避ける!さっすが、リックね!』
と、妖精のサラがリックの肩に飛び乗って、大絶賛する。
……が。
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