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「どうせ、しょぼいモンスターに決まってるわよ。そんなの、あたしが一発で、どどーん、と……」
『って、いつもみたいに、むやみに魔法使わないでよ、リュシエル!』
と、サラが釘を刺す。
リュシエルの得意魔法は、炎系。
……というか、他の魔法を使っているのを見た事がない。
燃えやすい物だらけの森の中で暴走されたら、たまったもんじゃない。
「……じゃ、リックが頑張ってね」
少しムッとしたリュシエルが、八つ当たりとばかりにリックに振る。
「ちなみに、もうそこまで来てるから」
「え!?」
見れば、泉の方の木々の間に、黒い影がある。
ずん、ずん、と、大地を揺らしながら迫り来るそれは、身の丈2mはあろうかという、直立歩行の巨大な――
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