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言いながら俺の体を抱き寄せ、息が止まりそうなくらい、ぎゅっとしてくれる。
「出勤までの時間、大丈夫か?」
耳元で吐息をかけつつ甘い声で囁くもんだから、赤面しちゃったじゃないか。
「うん、と。まだ朝の四時半だから、大丈夫だけど」
「次に逢えるのが、山上の月命日のときだからな。欲求不満が夢に出ているマサの希望を、少しでも叶えてあげようかなぁと思ってさ」
「そっ、それは嬉しいんだけど。仕事前だから、ほどほどにしてね」
ワクワクしつつ、焦る俺に向かって魅惑的に微笑みながら、
「逢えない時間、思い出せるよう貴方様の肌に、俺の痕を刻み込んでもいいでしょうか宮様」
「え!? ちょっ、あの……?」
「そんなだらしないお顔を、なさらないで下さい。歯止めが利かなくなります」
苦笑いしながら、しっとりとしたキスをする翼。その途端、夢の中の情事がまざまざと思い出され、再び体の芯に熱が集まった。
現代でやる宮様と家司ごっこ、ちょっと萌えるかもしれない――正月早々、面白い遊びを思いついたのでありました。
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