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「関さんが見せてくれたんだ。モザイクなしの映像。これ見て、すっげぇ驚いた」
「モザイクなしの映像?」
モザイクなしの映像といえば、アレですか!? アレなのか!? いやもう、アレしかないだろ!
これ見てすっげぇ驚いたって、どんだけスゴイAVを見たんだよ翼っ! それよりも関さん、どうして鼻血ブーな映像を、翼に見せたんだ?
そういや翼、関さんに何か相談があるからって、監察室に行ったんだったよな。
もしかして――
『関さん、最近刺激が足りなくって』
『そうか。ではこれを見るといい。モザイクなしで、キレイに見れるから』
『すっげぇ! 刺激的っすー』
――なぁんてやり取り、していたりして。
地味に鼻息荒くしてる俺を、切なげに見てから自嘲的に笑う翼。
「これ見てさ、正直言葉が出なかった。デキる男の姿を、垣間見てしまった感じでさ」
「デキる男の姿――そんなにスゴかったのかい?」
というか、激しかったのかいと聞くべきだったかな。
「凄かったというか。そうだな……キビキビ動いて無駄がなくて一生懸命で。不覚にも憧れてしまった。勉強になったよ」
その言葉に顔がぽっと熱くなる。
どんだけ、ものスゴいのを見たというんだ! 勉強になったということは今夜、それを試されると思っていいんだよね!?
「真っ赤な顔して、今更テレるなよ」
熱で火照る頬を、愛しそうに触ってくる翼。どんな顔していいか分からない。
「伝説の刑事って、ハッタリじゃなかったんだな。普段の変な姿ばかり見てるから、格好良く仕事してるトコが、想像つかなかったよ。まさかマサが年末の特番に出てるとは、夢にも思っていなかったし」
「……年末の特番?」
「ああ、モザイクの入ってないマサの仕事ぶりが、しっかり拝めたんだけど。……まさかとは思うが、お前もしかして、すっげぇ勘違いした?」
「いっいや、まさか。全然そんな! 不健全な事なんか、ちっとも考えてないよ!」
慌てまくって弁解する俺に、翼はガックリと肩を落とした。
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