ラストファイル3:伝家の宝刀

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「そうか、不健全な風にとっていたんだ。ボカシなしって、言えば良かったのか?」 「いやいや、どっちかって言うと、そっちの方が卑猥的な感じが……」 「関さんが俺にそんな映像を、見せるワケがないだろう! 何考えてるんだ、エロ水野っ!」  プンスカ怒って俺の後頭部を、思いきり殴った。ポカンと中身の入ってない音が、霊園に響く。 「お前本当に、知能指数が高いのか!? それともそういう分野限定で、能力が発揮されるとか?」 「自分の知能指数なんて、そんなの知らないよ。映像だってあれは、かなり編集されたものなんだ。俺が聞かされていたのは、3係の仕事をこれでもかとクローズアップする内容だったのに、実際に見たら俺ばかり出ちゃっててさ」  アットホームな職場を映像化してくれると思って、一生懸命頑張ったのに、実際は俺のいいトコだけ放映された内容だった。デカ長に叱られた場面や、派手に転んだ所はカット。これは本来の、俺の仕事風景ではない。 「まったく……警視庁の仕事をアピールすべく、普通はいいトコ見せなきゃならねぇだろ。それにマサにとって、警部試験受験する際の、好印象になるしな」 「そんなもん受けたら、ますます翼と逢えなくなるじゃん。てか関さんにどんだけ、洗脳されたんだよ……」 「洗脳?」 「そうだよあの人、山上先輩の類友なんだ。口車で簡単に人を、あっさりと騙せちゃうのさ。まんまと、ひっかかったみたいだね翼」  呆れ果てながら、背広の胸ポケットに手を突っ込んでスマホを取り出し、テレビ電話ボタンをポチッ。そしてダイヤルを押して、関さんを呼び出した。
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