Recipe.01

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  男女間の友情は成立するか? そう聞かれて、成立する。と答える人と、成立しない。と答える人は、 どちらが多いんだろうか? 人にもよるし、 その相手にもよる訳で。 「……また、居る」 とりあえず、俺とコイツの間に成立しているのは、多分、友情で。 「おかえり」 「……お前、自分の家がどこだか解ってるよな?」 「解ってる。解ってる」 そこに、愛情は無いと思う。 多分、だけど。 「俺のプライバシーはどうなってんだよ?」 「合鍵くれたの、キミでしょ?」 にっこり笑顔の友人に、深い深いため息。 その小さな手の細い指でクルクルと回しているのは、間違いなく、この部屋の鍵。 奪い取られた訳でも、勝手に作られた訳でもない、確かに俺が渡した、この部屋の合鍵。 「だからって、週に何回来てんだよ?お前っ」 「いいじゃん。今、彼女居ないでしょ?」 「……いっそ、お前の所為じゃねぇの?俺に彼女出来ねぇの」 「キミの問題でしょ?私、関係ない。ソレ」 中学からの付き合い。 一度だって、間違いなんて起こさずに純粋な友情を築いてきた、オンナノコ。 「そもそもなぁ。お前だって、一応はそれなりの年齢のオンナなんだから、こうもオトコの部屋に入り浸るってどうよ?」 「へぇ?キミ、私に何かすんの?」 「しねぇよ!」 つぅか、仕事から疲れて帰って来たのに、これ以上、ヒトの体力奪うなよ。 「あ、ご飯出来てるけど、食べる?」 「…………、食う」 まぁ。 仕事から帰って来た部屋に、電気が点いていて、温かくて、ご飯出来てて、風呂も沸いてる。ってのは有り難いんだけど、さ。 だからと言って、何だ?この半同居状態。 いつからだ? コイツ、いつから、こんなに俺ん家に入り浸り始めた?? 「キミ?とりあえず、着替えてきたら」 「おー」 ……合鍵渡してから、か? いや。 でも、その前も結構な頻度で来てたよな? そもそも合鍵渡したのだって、アイツが寒空の中、俺の帰りを待ってて風邪ひいてぶっ倒れたから、だし。 「あ、そーだ。宅急便来てたよ」 着替えの最中、そう言って部屋を覗き込んでくるオンナ。 「痴女」 「冗談。キミのぷにぷにな身体見ても楽しくないから、私」 「うっせぇ。ぺらっぺら」 反射的に言葉を返せば、凄い勢いで手に持っていたらしいシャチハタが飛んで来る。  
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