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「私に好きな人が出来たら、キミはどう思う訳?」
「……どう、思うって、」
どう、思うんだろうか?
「嬉しい?」
「はるが、……幸せになるなら、喜ばしい事だと思うけど」
「あっそ」
今、確実に声のトーンが落ちましたけど?はるさんや。
何だ?俺は、今、何の地雷を踏んだんだ??
「だって、ソレは、そうだろ?」
「何が?」
「いろいろ、あったし。……はるに好きな奴が出来て、ソイツがはるを大切にしてくれるんなら、ソレは、嬉しい事だろ?」
言う俺に返って来るのは、やっぱり冷たい視線で。
だから、俺、どの辺で地雷踏んだんだよ?
「お気遣い有り難いところだけど、……別にスカートには何の意味も無いから気にしないで」
「…………はい」
若干、機嫌を損ねたまま、キッチンに向かうはるの後ろ姿。
「はるー」
「何よ?」
「とりあえず、好きになるなら、はるの事大切にしてくれる奴にしろよー?」
そうじゃなきゃ、ちょっと渡せないぞ?
いや、俺のじゃねぇけど。
「……キミこそ、バカなオンナに引っ掛からない様、せいぜい気を付けて」
「おー」
俺は男だからなぁ。
別に、どれだけズタボロになっても、どーでもいーけどさ。
まぁ、年齢的にも、次は、はるには最期まで大切にしてくれる相手に出会って欲しい。
とは、思ってるんだけど。
何だかな?
微妙に、今のこの時間がもう少し続いて欲しい自分も居るし。
いや、でも。
はるをオンナとして見る自分は、やっぱり嫌だし。
どーしたもんかな。本当。
* * *
「好きです」
いつもの月曜日。
当たり前に仕事をして、当たり前に家に帰ろうとした、いつもの一日に、突然の爆弾投下。
「……は??」
「浅野さんが、好きです」
告白、されてます。
「って!咲山っ!?」
「……彼女とか、居るんですか?」
いや、そんな目で見上げられると、結構困るんだけど。
はるのチワワっぷりも相当な威力があるけど、……咲山の潤んだ上目遣いも凄いな、威力。
「彼女は、……居ない、けど」
「私じゃ、ダメですか?彼女に、して貰えませんか?」
いやいやいやいや。
ちょっと待て。今、イロイロと頭が追い付かねぇぞ??
「あの、咲山、」
「それとも、……好きな人、居るんですか?」
言われた言葉に、一瞬だけ、はるが過った。
って、何でだ?
あれ?金曜の会話の所為か??
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