Recipe.06

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  突っ込むのは、今なの?? 「何か、文句ある?」 「文句はねぇけど、」 言うカオの眉間に、皺。 オンナノコとして意識して貰うより、違和感を覚えられてる気がする。 「スカートな気分なの。今は」 「……何で、今更?」 「今更って、何よ?」 「だって、お前。中学で会ってからこっち、一度だって、んなオンナノコなカッコした事あったか?」 無いわよ。 好きじゃないもん。基本。 前買ったワンピースも、今日のスカートも、これならまだ着れる。ってのを選んでるんだから。 「そんなに似合わない?」 「似合わなくはねぇよ?ただ、……何か別のヤツが家に居るみてぇで、全然落ち着かねぇの。ソレ」 意識、違和感、通り越して、別人認識?? 「知らないわよ。慣れなさいよ」 「慣れろ。って、まだ続くのかよ?そのカッコ」 「続きます。当分、続きます。私が飽きるまで、続きます」 「飽きろよ。もう」 ムカつく。 ムカつく権利無いけど、ムカつく。 キミに、少しでもオンナだと思って貰いたくて頑張ってるだけなのにっ。 ……全然、効果ないけど。 「もういい。解った。帰る」 「……ちょ、怒るなって」 「キミが怒らせてるんでしょ!私だって、女なんですからね!」 「解ってるよ!知ってるよ!!」 解ってないじゃない。 「じゃあ、もう、キミの前ではスカートはかない。それでいいでしょっ!」 「……いや、ごめんって」 「いいです。キミの前では二度とはきません」 「ごめん。慣れないだけで、……似合ってるとは思うから」 いいわよ。 そんな無理にフォローの言葉探してくれなくっても。 「嫌なんでしょ?」 「嫌じゃなくて!……何か、慣れないから、ちょっと、」 困った様なカオで、ごにょごにょ言うから、後半が聞き取れない。 「ちょっと、何よ?」 「だから!……オンナノコって感じで、何か落ち着かないんだって。ソレ」 ……あれ? 思わず、ジッとキミを見上げれば、困った様に視線を逸らす。 もしかして、少しだけ、効果、あった?? 逸らされた視線を合わせるのに、そのカオを覗き込めば、嫌そうなカオをして私の頭を掴む。 「ちょっと!」 「その角度、やめろ。危ない」 「は?」 聞き返せば、キミは大きなため息一つ、自分の胸の中心辺りを指で突っつく。 意味が理解出来ずに首を傾げれば、もう一度大きなため息。  
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