Recipe.06

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  その場にしゃがみこんで、頭を抱えてる。 「ちょっと、キミ?」 「だから、お前自身慣れてねぇだろ?スカートとか、そーゆーカッコ」 慣れてないわよ。 だって、基本、好きじゃないんだもん。 「それが何よ?」 「無防備過ぎんの!危ねぇの!んな薄着なんだから、少しは気を付けろ」 「何を!」 「んなカッコで今みたいな角度だと見えるんだよ!胸がっ!」 ……胸? 思わず、服を引っ張って、中を覗きこむ。 「覗くな!」 「いや。気にしていただく程のモノ、持ってないから」 「そーゆー問題じゃないっ!」 いや、だって。 まぁ、でも、確かに胸の空いた服とか、着ないもんな。私。 なるほど。こんな程度のモノでも気にはして貰える訳か。 「あー、もういい。今日は、やっぱり帰れ。送ってく」 「追い出すんだ」 「先に帰るって言いだしたの、お前だからな」 「キミが、」 スカートを嫌がるからじゃない!と続けたかった言葉は、口を塞がれて続けられなかった。 「いい子だから。今日は帰ろうな?」 「…………」 人の口を右手でガッチリ塞いで、にっこりと笑うキミ。 イロイロと不満はあるけど。 何だか、嫌がるのが、一応は意識して貰ってるらしい?という事みたいだから、今日は引き下がろう、かな? * * * 車で5分程度の距離。 だから、車内での会話はいつも、殆ど無い。 基本、言い合う時や、喋りたい時以外、……案外二人でボーッとしてる時間の方が多いのよね? 家族、みたいなモノ。 一緒に居るからって、わざわざ会話を探す必要性なんて感じない相手。 その心地よさが、……ついうっかり恋愛感情になっただけなのよ。困った事に。 こんな事をぼんやり思ってる内に、もう私の家に到着。 「……寄ってく?」 「お前ね?いくら友達とは言え、こんな時間に男を部屋にあげるモンじゃねぇよ」 こんな時間じゃなくても、寄らないクセに。 「いつも、こんな時間に男の部屋にあがりこんでる事には問題ないの?」 「……俺とお前はお友達だから」 「言ってる事、矛盾してない?」 「いいの」 わっかんないな、キミのこーゆートコって。 ため息一つ。 車から降りようとする私の耳に、また、メール受信の音。 キミが携帯画面を確認して、また、元の場所に戻す。 「……メールの相手ってさ、」 「あ?」 「この前、地下鉄駅で会った娘?」  
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