Recipe.01

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  男だから? 嫌なんだよな。そーゆーのは。 まるで、「男だから」を免罪符みたいに使って、こーゆのを片付けるのって。 本当、嫌だね?男って。 「お前、今日泊まんの?」 「うん」 勿論、手を出す気なんてないし、ソレをしたらアウトだって解ってる。 解っては、いる。うん。 「……まだ、会社で嫌な事あんの?」 「楽しい事しかない会社なんて、無いでしょ?」 「そーじゃなくて、」 また、嫌な事でもあって、一人で居たくないかと思ったりもしたんだけど。 「別に。今は普通だよ?嫌な上司、異動になったし」 「なら、いーけど」 でも、そう言えば、1年位前だよな? 仕事でもプライベートでも、一度にイロイロあって、はるが精神的に参ってたのって。 まぁ、仕事だけなら、社会人、誰もが一度は通る道だろうけど。 プライベート、散々だったもんな。 俺なら、軽い人間不信になる。 「嫌なら、帰るけど?」 「いや?別に嫌な訳じゃねぇけど」 「ないけど?」 そうか。 あの時に、全力で甘やかしたからこその、今なのか? 「友達とは言え、男の家に泊まるってのも、どーなんかな?と、毎回思う訳だよ」 「泊まる。って言っても、キミの寝室で寝る訳じゃなく、あっちにお布団敷いて寝てるだけじゃない?私」 「……当たり前だろ。同じ部屋で異性の友達同士は寝ねぇよ!」 「昔、よく雑魚寝したよね?」 「大人数で、な?」 10代後半の頃の話を持ち出すな! あの頃は、きっと誰もがあんなモンな筈だ。多分。 「でも、……キミは絶対に何もしないよ」 「絶対、ねぇ?」 「草食系男子だよね?どっちかって言うと」 久々に聞いたな、草食系男子って言葉。 「最近、聞かなくなったな?その言葉」 「アレって、結局、実在したの?」 「知らね」 一部の肉食系女子と言われてるオンナが、手を出して貰えない事に対して、自分のプライドを守る為。もしくは、無理やり、気の弱いオトコを彼氏にしたけど、そのオトコはそのオンナが嫌だった。 ってのが真実だと、今も思ってる。 「……ま、いっか。どーでも」 「頭使うの面倒になった?」 「だな。はるの我儘も今に始まった、」 言いかけた言葉は、はるの手に持っていたフォークが、首元で光った事で沈む。 「私の、何、だって??」 「……いつも、美味しいご飯を有難うございます」  
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