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「はるって、ガーリーな服、着ないでしょ?」
「フリフリした服嫌いだもん」
「でも、あからさま位、オンナノコは主張出来ると思うよ?」
……オンナノコを、主張?
そう言えば。
キミの前でスカートだったのは、……高校の制服が最後、かも?
会社の制服で会った事は、当然無いし。
「スカート、とか?」
「一つの方法じゃない?」
「まぁ、大半の男は弱いと思うけどなぁ。スカートに生足」
スカートに、生足??
「その位で、私がオンナに見えるかな?」
「オンナに見えるは一先ず置いても、はるちゃんみたいにスカートはかない子がスカートはいたら、確実に気にはなると思う」
そーゆーもん?
「でも、私。……スカート持ってない」
「は?」
「マジで??」
や。
冠婚葬祭用はあるけど。あと、制服と?
「探せば、ワンピースなら1枚位出てくる気がしなくも、ないけど」
「はる!買いに行こう。今度、可愛い服、沢山買おう」
「えー」
「はるちゃん、えー、じゃなくて。男にとってスカートは特別だって!」
そんなモノなの?
え?そこまで、単純なイキモノなの?男って。
* * *
「あった」
クローゼット奥の段ボール箱から、何とか昔、1枚だけ買ったワンピースを発見。
「まだ、着れるかなぁ?これ」
一人呟いて、皺だらけのワンピースを見つめてみる。
買ったのは、もう1年以上前。
元彼に、ワンピースの一つも着てみろよ?なんて、言われて買ったソレ。
コレを着るより先に、相手の浮気が解って、結局着なかったんだけど。
そう言えば、浮気相手は、ふわふわしたガーリー系ファッションを好んで着る子だったっけ。
彼氏にも友達にも裏切られて、職場でも居場所が無くて、
いっそ、死んでしまおうかと、本気で思った。
まぁ、生きていれば、人間誰もが一度位は真剣に思った事あるだろうけど。
本当、死にたい位だったなぁ。
紗良も異動してくる前で、その前に居た友達だと思ってた子に、彼氏盗られて。
上司からのパワハラ。
今思えば、訴えたら圧勝出来る様な事言われてたっけ。
キミが居なければ、きっと死んでた。
あの時。
初めて、キミをオトコだと気付いた。
ずっと側に居てくれて、話を聞いてくれて、頭を撫でてくれたキミに、
恋をした。
と言うか、アレは恋に落ちるでしょ?誰だって。
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