Recipe.02

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  「はるって、ガーリーな服、着ないでしょ?」 「フリフリした服嫌いだもん」 「でも、あからさま位、オンナノコは主張出来ると思うよ?」 ……オンナノコを、主張? そう言えば。 キミの前でスカートだったのは、……高校の制服が最後、かも? 会社の制服で会った事は、当然無いし。 「スカート、とか?」 「一つの方法じゃない?」 「まぁ、大半の男は弱いと思うけどなぁ。スカートに生足」 スカートに、生足?? 「その位で、私がオンナに見えるかな?」 「オンナに見えるは一先ず置いても、はるちゃんみたいにスカートはかない子がスカートはいたら、確実に気にはなると思う」 そーゆーもん? 「でも、私。……スカート持ってない」 「は?」 「マジで??」 や。 冠婚葬祭用はあるけど。あと、制服と? 「探せば、ワンピースなら1枚位出てくる気がしなくも、ないけど」 「はる!買いに行こう。今度、可愛い服、沢山買おう」 「えー」 「はるちゃん、えー、じゃなくて。男にとってスカートは特別だって!」 そんなモノなの? え?そこまで、単純なイキモノなの?男って。 * * * 「あった」 クローゼット奥の段ボール箱から、何とか昔、1枚だけ買ったワンピースを発見。 「まだ、着れるかなぁ?これ」 一人呟いて、皺だらけのワンピースを見つめてみる。 買ったのは、もう1年以上前。 元彼に、ワンピースの一つも着てみろよ?なんて、言われて買ったソレ。 コレを着るより先に、相手の浮気が解って、結局着なかったんだけど。 そう言えば、浮気相手は、ふわふわしたガーリー系ファッションを好んで着る子だったっけ。 彼氏にも友達にも裏切られて、職場でも居場所が無くて、 いっそ、死んでしまおうかと、本気で思った。 まぁ、生きていれば、人間誰もが一度位は真剣に思った事あるだろうけど。 本当、死にたい位だったなぁ。 紗良も異動してくる前で、その前に居た友達だと思ってた子に、彼氏盗られて。 上司からのパワハラ。 今思えば、訴えたら圧勝出来る様な事言われてたっけ。 キミが居なければ、きっと死んでた。 あの時。 初めて、キミをオトコだと気付いた。 ずっと側に居てくれて、話を聞いてくれて、頭を撫でてくれたキミに、 恋をした。 と言うか、アレは恋に落ちるでしょ?誰だって。  
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