Recipe.03

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  「オンナの匂いがする」 遊びに来た友人二人の、家に入るなりの言葉。 「は!?」 「公隆、オンナ出来た?」 「これは確実に、オンナの匂いだ」 怖いな、コイツら。 ってか、んな匂いするか??普通に、家の匂いな気がすんだけど。 「はるだろ?」 「はる?」 「はるって、あのはる?」 他に居ねぇだろ?共通の知り合いで、この名前。 「え?何。公隆、はると付き合ってんの?」 「違ぇよ。最近、アイツ、入り浸ってんだよ」 匂いが染み付く程に、な。 俺には、まったく解んねぇけど。どんな匂いだ?? 「ふーん。はる、元気?」 「あ?お前ら、会ってねぇの?」 俺と同様、コイツらもはるとは中学からの付き合い。 社会に出てすぐ位までは、本当、よく遊んでた。 「会ってねぇよ」 「連絡先すら知らねぇし」 喧嘩別れだの、結婚だので、女子がバラバラになってからは、女性陣とは会わなくはなったけど。 「それに、はるって元から公隆居ない時はオレらとは遊んでねぇし」 「……マジで?」 「はる、公隆に懐いてたからなぁ」 懐くって、犬猫じゃねぇんだから。 「あ、はるで思い出した。お前ら、クレームブリュレ食う?」 「クレームブリュレって、……焼きプリンみたいなヤツ?」 「いや。まんま焼きプリン」 立ち上がって冷蔵庫を覗けば、残り4つ。 ただ、賞味期限は今日。 コレを食っても、はるに文句言われる事はないだろう。 何なら、後で買い足しておけば問題もないし。 「賞味期限今日なんだよ」 「オレらはゴミ箱か?」 「まぁ、そう言うなって。うまいぞ?」 残り一つは、……ま、慎でも孝博でも、食えそうな方に押し付けよう。 「男3人、こんな時間に焼きプリンとかって、傍から見たらちょっとひくよな」 「麦茶くらいなら出すぞ」 「出せ」 「へいへい」 どーせこれから飲むんだし、ついでに準備もしとくか。 * * * 「で?結局、公隆とはるってどーなってんの?」 時間も遅くなって、アルコールも進んだ頃、再び出る話題。 「どーもなってねぇよ」 「でも、入り浸ってんだろ?はる、可愛いしな」 「だよな?何気に美少女系だろ?」 言われなくても解ってるよ。 本当、黙ってれば確実に美少女なんだよ。アイツは。 「変な気になったりしねぇの?」 「何を期待してんだよ?お前らは」  
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