Recipe.02

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  友情が恋に変わるなんて、思って無かった。 中学からの付き合い。 互いの交友関係も、恋愛関係も、全部ではないにしても知っている相手。 バカばっかりやってた学生時代から、オトナになってしまった今に至る迄、思い出の中には必ず居る相手。 楽しい時や嬉しい時、悲しい時や辛い時、気付けば近くに居た、大事な友達。 絶対に失いたくない、大切な、男友達。 「何でだ?」 そんな相手に、恋をした。 「どした?」 「頭痛いんなら、薬あげよっか?」 職場の休憩時間、頭を抱える私に優しい声二つ。 「頭は痛くない。大丈夫」 「本当?なら、いいんだけど」 社内で一番の美人だと思われる紗良と、 「アレでしょ?頭痛くないんなら、例のキミ君の事だ」 その紗良の彼氏である、恭久くん。 ちなみに、この二人から出る癒しオーラは半端ない。森林浴レベルだ。 「やっぱり、無理なのかも」 「何?突然?」 「キミ君と、何かあったの??」 この、不毛としか言えない恋愛相談が出来る、唯一の二人。 「何も無さすぎて、もう、哀しくなってくる」 「何も?」 キミを好きだと気付いた時、すぐに無かった事にしようと思った。 大事な友達を、こんな一過性の熱に浮かされた感情で失いたくない。と。 友情は、余程の事が無い限り、永遠に等しい。 別れなんて無いし、失う事も無い。勿論、物質的な距離が離れる事はあるだろうけど。 恋の様に、失ったりしない。 だからこそ、キミを好きなのは間違いだと、気の所為だと思おうとした。 それを、たきつける訳でも否定する訳でもなく、ただ聞いてくれたのが、この二人で。 二人が話を聞いてくれて、見守ってくれて、 頑張ろうと思えた、恋。 なんだけど! 「アイツ、そもそもが私をオンナだと思ってないんだもん」 「……それは、元々が友達だし、な」 一緒の時間を増やした。 ただ単に会いたくて、側に居たいという自分の欲求を行動にしただけなんだけど。 一度、無茶をして、まさかの合鍵まで貰った。 「どう頑張ればいいのかが解らない」 当然、別の部屋だけど泊まったりもしてるし。 まぁ、それもキミが遅いから泊まってけば。とか言い出したのが最初なんだけど。 「ここまで、オンナだと認識されてない私は、何をどう頑張ればいいの??」  
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