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今はこれで誤魔化せたみたいだけど、これから一週間、ずっと風邪気味で通せるのか?
風呂に入れないのもキツいしな。
考えないと。
……部屋にシャワーが付いてたっけ?
皆が風呂に行ってる間にならサッと浴びれるかな?
ハァ、こうなる事がわかってた筈だよな?記憶を無くす前の俺!
どうするつもりだったんだよ?
教えてくれよ!
あー、取り敢えず今は言った通り寝てしまおうか、眠いし。
コンコンコン。
再びノック音で目覚める。
「黎?まだ寝てるのか?夕飯の時間だぞ?」
また上総の声がする。
「あー、食欲無いし、俺、良いから3人で行ってきて」
微睡みながら答えれば、本当に大丈夫なのか!?と聞かれる。
何も思い出せないし頭痛くなってきて、あまり大丈夫じゃ無い気もするけど。
「大丈夫だよ。きっと寝てれば治るから」
その言葉に上総は、飯は食わないと駄目だから開けてくれ、と言う。
「悪い。動きたくない。食べたくない。俺の事は放っておいてくれ」
そう言えばドアから遠ざかる足音。
上総、ゴメンな?
どんな顔して会えば良いのか、わかんないんだよ。
今までの事も覚えて無いし、女なのに男のフリして騙してるし、本当に何なんだよ。
俺は何で此処に居るんだ?
そしてまた眠りに落ちて行く。
どうせならこのまま目を覚まさなければ良いのに。
だけどまた、今度は激しいノック音で起こされた。
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