楓、赤黄、色付く

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-会長side- 「凉矢、相談があるんだが」 「あれぇ、勇人が俺に相談なんて珍しいね~」 「いいから、相談がある」 凉矢とは皆さん覚えているだろうか? 同じ生徒会の会計だ。 こいつの喋り方が気に食わないが生憎相談できるのがこいつしかいない。 恋愛事になると、な。 「相談って?」 俺の真剣さが伝わったのか先程と比べ物にならない真剣な顔になった。 「場所を変えてもいいか?」 「うん」 今は教室。 誰かに聞かれたくないんでな。 人気のない廊下に移動した俺達。 「この辺で良いかな?」 凉矢は真剣になると普段と口調が変わる。 何故だが知らんが。 「相談って? 俺にするぐらいだから恋愛とか?w」 何にやけてんだ。 「そうだ」 「勇人にもついに春か~。って春が来たのはとっくの前か」 「なぜ知ってる? 俺の親衛隊が喋ったのか?」 「違うよ。 見てれば分かる。 あの時はぼーっとしちゃってて全然仕事進まなかったじゃん」 俺は分かりやすいのか? まぁ、確かに仕事が手につかなかったし、人が話していてもすぐにあいつの事を考えてしまってなかなか集中できなかった。 「で、相談は? 恋をしてどうしたの?」 「そいつと日曜出掛ける事になった」 「おー!デートか!」 「いや、ただ一緒に出掛ける事になっただけ だ」 「それがデートだっつーのw」 もういい、デートは置いとく。 「まだ出掛けるしか決まってないんだ。どこに行けば良いと思う?何をしたら良いと思う?その日曜が勝負だと思ってるのだが」 「行く場所やる事によるけどそのお相手は誰?」 「…」 言わなきゃダメなのか? 恥ずかしいのだが。赤面しそうなんだが。
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