楓、赤黄、色付く

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凉矢はじっと見てくる。 視線が言えと言っている。 それでも黙る俺。 すると はぁっとわざとらしいため息を着き 「あの背の高い隊長でしょ」 「な、なんで知って?!」 「放課後いつも一緒に仕事してるから。勇人にしてみれば珍しいかなって」 ってこいつ知ってるのに態々俺に言わせようとしたな?! 「で、その子?」 「あぁ」 聞いてるわりに自信ありげな表情。 むかつく顔だな。 「勇人もついに下になる時が来たかー」 「下ってなんだよ?」 「えー?そのままだけど?」 こいつふざけてやがる。 「日曜のいつから?」 「え?」 急に真剣に戻るからびっくりして聞き返してしまった。 「何時にどこで待ち合わせ?」 おおっと。 聞かれる事が多くなった。 「10時に俺の部屋」 「部屋って襲う気?」 「違うわ!」 わざとらしく口元に手をあてプフッと吹き出す真似をしやがった。 笑いながら冗談冗談と言い 「じゃあ9時半に行く」 「なぜお前が来るんだ。あいつは渡さねえぞ」 「とる気ねーよ。 ただやりたいことがあるんだ」 「やりたい事?自分の部屋じゃダメなのか?」 「いやいや、二人をくっつけるためにやりたいことだよ」 「俺にとってプラス?」 「うん」 「そうか」 教えてくれそうになかったので聞かず凉矢に任せる事にした。
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