楓、赤黄、色付く

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そう言い会計はまた会長の部屋に戻って行った。 俺も続けて入る。 会長と会計が会話しているのが聞こえ、俺と入れ替わりに会計が部屋を出ていった。 通り過ぎる時「ガンバッ」と肩を叩いていった。 会長に薬を飲ませるのはそんなに大変なのか。 というか会長風邪をひいてたの? なのに俺と出掛けるの断らないなんて優しいとは思うがもっと自分を大切にして。 「お邪魔します…」 「いらっしゃい」 笑顔で迎えられた。 あぁ、和む。 その顔をずっと見てたい。…俺そろそろヤバイ。 「会長、風邪ひいていたんですか?」 「え?ひいていないが…」 「会計が言ってましたよ!薬飲んでください」 「いや、信じるな。俺を信じろ!」 「薬飲みたくないからそう言う人けっこういるんですよ。でも会長が言ってるから…って思っても会計が…」 あー!どっちを信じれば良いんだ? 会長に薬飲ませてって言われたから本当だよな? 嘘で言ってたら怖いんだが。 あ!そーだ。 「会長、キスしましょーか」 これで拒否されたら困る。 「え?キス?え、とー、えーと」 会長はしどろもどろに。 嫌ではないと勝手に判断し重ねるだけのキスをする。 会長は何が起こったのか理解が遅れているよう。 じっと見つめているとはっと我に返ったようで また慌て始めた。 そこで先程会計から貰った小瓶の中身を口に含み会長の口に流しこんだ。 ゲホッゲホッと噎せる。 会長すみません。 「な、何入れた?」 「会計が風邪薬と言ってました」 「風邪薬?」 渡された小瓶を会長に渡す。 「本当に風邪薬か?」 「会計が言ってました」
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