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ついに、俺に面と向かってその事を言う輩が現れた。
「お前が魔王を倒せたのは次期魔王だからじゃないのか!」
「そうだ! 正体を現せ!!」
「おい、お前ら! いい加減に──」
焔帝が言い終わる前に、俺は苦渋の決断をした。
「フフ、フハハハハ! なんだ! 人間も中々バカではないではないか!!」
「.....!?」
「・・・雷帝.....? 何を言っているの?」
風帝が取り乱したように俺に問う。
「そいつらが話していることは本当だと言っている! そうだ! 我が次期魔王だ!!」
「・・・! 雷帝.....お主.....」
一人、土帝が察したように呟く。
土帝が何かに気付いたようだった。
まさか、この段階で見破られると思っていなかったが、余計なことを言わないように土帝にしかわからないよう笑いかけ、更に叫ぶ。
「さぁ、最終決着と行こうではないか! 場所はあの場所だ!」
シュン
あの場所.....魔王を倒した場所に転移する。
シュン
後を追うように他の帝達も転移してきた。
「おい! 雷帝! どういうことだ!!」
ガッと焔帝に襟元を捕まれ一気に息苦しくなる。
「落ち着け、焔帝。さっきのは雷帝の芝居じゃ」
「な!?」
土帝の言葉を聞き驚きの余りに焔帝は手を離した。
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