第一章

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ようやくその言葉の意味を理解した。 学園に通う.....? 「ま、待て! どういうことだ!?」 「どういうことって.....そのままの意味だけど」 「なんで俺が学園に通わないといけないのかってことだよ!」 「何故と言われてもね.....。ライトも17歳だからね。原則、学園には通わないといけない」 原......則? 「ちょ、ちょっと待ってくれ。そんなの初めて聞いたぞ!?」 「え?」 「だ、だって小等学校と中等学校はいかなくてよかっただろ!」 「あー。あのね、ライト。主に貴族とかはね、自宅で優秀な学者や教師を雇って各自で教育を行うところがあるんだ。王族なんかもそうだね。だから小等学校と中等学校は義務化されていない」 「じゃ、じゃあなんで高等学校は義務なんだ......?」 「高等学校は基本的に専門分野を学ぶところだからね。国としても、その分野に進むにあたって、知っておかなければならないことは教えなければならない。それに一般教養、周りとの協調性。まぁ、それらのことを鑑みての義務化だね」 リーグスが言っていることはわかる。 ・・・わかるが.....。 だが、俺はリーグスに拾われて、ある程度の知識は教えられた。 学園で学ぶ範囲は一通り分かるし、魔法にいたっては教師より使いこなせる自信がある。 通う意味なんて一つも見当たらない。 「俺はもう学校で学ぶことなんてないぞ......」 「学ぶことは知識や魔法だけじゃないさ。他にも学ぶべき事は沢山ある」 「それは.....そうかも知れないけど」 「それに、国の規則は絶対だ。よほどの理由が無い限りは拒否出来ないよ」 ぐっ.....。 確かに、その通りだ。 「でもま、どうしても嫌だと言うなら何とかするよ?」 しかし、と。リーグスは続ける。 「ライト、俺が教えてやれることは全て教えたつもりだよ。それでもね、まだまだ学ぶことがある筈だよ? それを学んでおいで」 恐らく、最後のは父親としての言葉だろう。 俺が見てきた世界は狭い。 もっと沢山の世界を知ってほしい.....そんなリーグスの願いが言葉の裏にあるように思えた。 学園に行くしかないな.....。
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