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「これを一つつければいい感じになるんじゃない?」
「・・・ちょっと貸してくれ」
「はい」
リーグスから魔力が百万分の一になる封魔具を受け取る。
「ちょっと待ってね。今、結界を張るから.....いいよ」
リーグスが魔力を部屋の外に洩らさない為の結界を張ったので、俺は二つの封魔具を外した。
その瞬間、今まで抑えていた魔力が漏れ出るのを感じた。
魔力制御は得意なはずだったんだが。
長く道具に頼っていたせいで随分と下手になったな。
封魔具をつけると同時にズン.....と体が重くなるような感覚がした。
「これは.....きついな。慣れるまで時間が掛かりそうだ.....」
普段の百分の一まで魔力が下がってるからな.....。
だが、これなら学生の魔力量としては妥当じゃないか?
「リーグス、魔力測定の水晶を貸してくれ」
「えーっと.....どこにしまったかな.....」
「・・・水晶が無くなるって普通じゃないぞ? だからあれほどこまめに片付けろと───」
「あ、あった! あったから、ね?」
「はぁ.....。わかった、わかった」
説教を回避しようと必死だな。
子供か。
自分の親の幼いところを目にし、溜め息をつきながらも水晶を受け取る。
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