第一章

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「これを一つつければいい感じになるんじゃない?」 「・・・ちょっと貸してくれ」 「はい」 リーグスから魔力が百万分の一になる封魔具を受け取る。 「ちょっと待ってね。今、結界を張るから.....いいよ」 リーグスが魔力を部屋の外に洩らさない為の結界を張ったので、俺は二つの封魔具を外した。 その瞬間、今まで抑えていた魔力が漏れ出るのを感じた。 魔力制御は得意なはずだったんだが。 長く道具に頼っていたせいで随分と下手になったな。 封魔具をつけると同時にズン.....と体が重くなるような感覚がした。 「これは.....きついな。慣れるまで時間が掛かりそうだ.....」 普段の百分の一まで魔力が下がってるからな.....。 だが、これなら学生の魔力量としては妥当じゃないか? 「リーグス、魔力測定の水晶を貸してくれ」 「えーっと.....どこにしまったかな.....」 「・・・水晶が無くなるって普通じゃないぞ? だからあれほどこまめに片付けろと───」 「あ、あった! あったから、ね?」 「はぁ.....。わかった、わかった」 説教を回避しようと必死だな。 子供か。 自分の親の幼いところを目にし、溜め息をつきながらも水晶を受け取る。
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