第一章

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「あ、属性の方はどうするんだ?」 確か、学園では魔力の他にも属性も調べたはずだ。 いくら魔力を抑えようと闇属性を持っているのがバレたら大変なことになる。 闇属性を持っているのは人間じゃ俺だけだしな。 「あ、それに至っては問題ないよ。属性を調べる方の水晶は五属性とその派生属性、それと光属性にしか反応しないから」 「そうなのか?」 それは初めて聞いたな。 まぁ、確かに魔族しか持ってないはずの闇属性を調べる必要なんてないからな。 それに、魔族は見た目で分かるし。 俺の場合は見た目は完全な人間だから大丈夫だけど。 「・・・待てよ? それなら俺の闇属性はどうやって調べたんだ?」 「ある一部の水晶は全属性計れるようになってるんだ。俺みたいにギルドマスターが持っているやつとかね」 なるほど.........。 「あ、でも、もう一つの───」 「リーグス、ストップ。客が来た」 「え?.....あ」 俺がそうリーグスに告げた瞬間、扉の向こうに転移してきたであろう魔力が現れた。 普通のギルド員はギルド内に直接転移することは出来ない。 出来るのは帝のみだ。 つまり、今ここに転移してきたのは帝ということになる。 「毎回思うけど、なんで転移前の魔力を察知できるのかな.....」 「転移の時に発生する微弱な魔力を感知してるだけだ」 「簡単に言ってくれるね.....。転移の魔力は戦闘中とかよほど集中してない限り見逃しそうなくらい微弱なものなのに 」 それが普段の状態でも敏感に感知出来るのは、魔力の扱いに長けた魔族の血が半分流れている俺だからなのだろう。 コンコン 「・・・この魔力は、氷帝か」 「・・・みたいだね」 とはいっても、ここに転移してくるやつは限られてるが。
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