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「いいえ、どう致しまして」
そう言うと、男はニッコリと微笑んだ。
幾つ位だろう…。
くっきりとした二重は、笑って細められると最初の印象よりも随分と若く見える。
「…立てますか?」
けれど、声を掛けられて璃桜は躊躇した。
座っていた時には気付かなかったが、男の背はスラリと高く威圧感がある。
出された手を取ろうとしない璃桜に、男は不思議そうな顔をした。
「どうしました?」
「あっ、すみません…」
失礼にあたると思い、慌てて男の手を取ると、グイッと引いて璃桜を立たせてくれる。
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