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その時、目に入ったスーツの上着の綻び。 「それ…」と、思わず声に出すと璃桜の視線の先を見た男が、あっ…という顔をした。 「どこかに引っ掛けちゃったかな…」 苦笑するそのヒトに、璃桜は青くなる。 「ごめんなさい!」 「え…」 「 どうしよう…、すみません! あの、私、弁償します! 」 男がキョトンとしてこちらを見ている。 じっ…と見つめられて、璃桜はカァ…と頬を朱く染めた。 「弁償って、君が悪い訳じゃないじゃない」
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