第1話

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南幸一は広島県の片田舎に生まれた。 三人兄弟の末っ子、長男として生まれる。 南の父は公務員で真面目な男であった。 母は専業主婦とパートをしている。 姉が二人いるがどちらも10歳以上年齢が離れている。 南幸一が中学校を卒業するころにはどちらも結婚して嫁いでいる。 祖父は南が中学の時に他界し、祖母は同居している。 南幸一は南家の跡取りとして何不自由なく育てられた。 南は中学2年の時に殺人を犯した。 近所の遊び友達だった、小学生の子供を殺したのだ。 当時南は中学生だ。 相手は小学生。 中学生といえどもまだ子供である。 南は決して大柄な方ではなかった。 なぜ、南は小学生を殺すことができたのか。 それは南とその小学生が知り合いだったため、 致命傷を与える距離に近づけるまで、相手を油断させることができた。 また、相手の小学生が知的障害者であったこともある。 この二点が南に殺人をやりやすくさせた要因であった。 また、もっとも決定的であったのは、これは南自身の性質に寄るものであった。 南は快楽殺人者であった。 南の性的な快楽は殺しを通して得るものである。 人や動物を殺すことで南は性的な快楽を受けるのである。
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