【右腕の男】

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蘭花は俺にとって本当に大事な大切なかけがえのない存在。 俺は一人っ子だったから。 翔にくっついてくる蘭花が可愛くて仕方なかった。 蘭花が生まれたのが俺の5歳の誕生日だった。 初めて蘭花を見たのは、まだ首も据わってない赤ん坊の時。 翔が自慢してたなぁ。 俺も蓮兜も瑠璃さんも一人っ子だったから、妹が生まれた翔が羨ましくて。 毎日の様に翔の家に行って蘭花を見てた。 そんなに動く訳でもないのに、ちょっとした仕草が可愛くて。 何より蘭花の髪の色が綺麗で、詩音さんに許可をもらって触らせてもらってた。 すげぇキラキラしててサラサラの綺麗な髪。 翔は何で蘭花だけ、こんな髪なんだ!とか言ってたけど。 きっと、皆が綺麗だって言うから羨ましかったんだろうな。 少しずつ大きくなる蘭花を毎日毎日行って見てた。 よく詩音さんに 『竜は蘭花が大好きね。翔達と遊ぶより蘭花見てる時間の方が長いわよ。』 なんて笑われてたな。 まぁ。実際、そうだったしな。 翔と遊ぶのは口実で蘭花に会いに行ってたもんな。 その位、蘭花は可愛かったから。 そう思えば、もうあの頃から蘭花に惚れてたのかな。 ずっと一緒に居たいって思ってたな。 妹にしたいとかそんな感じじゃなかったな。 あれも恋だったのか? 5歳児が赤ちゃんに恋? ハハッ。おもしれぇな。 蘭花にこんな話はした事無かったな。 してやれば良かった。 きっと、あいつ退いただろうな。 『竜兄。変態~!』 とか言いそうだな。
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