【右腕の男】

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あの日から、あんまり眠れない。 家に帰れば蘭花の事ばかり考えてしまって。 飯を食ってても蘭花と料理をした時を思い出し、風呂に入ってもよく一緒に入ったなとかシャワー事件があったなとか考えてしまう。 ソファーに座れば隣に居るはずの蘭花が居なくて、ベッドに潜れば前には感じなかった広ささえ感じてしまう。 朝から夕方にかけては必死に仕事をするから考えずに済んでいる。 だけどあっと言う間に仕事の時間は過ぎる。 残っていても知れた時間。 夜中に家に帰っても同じ事を繰り返すだけで。 ソファーに座り、目の前にある蘭花のポスターだけが俺の救いで。 ポスターをじっと見ると蘭花の側に居れる様な気がしてくる。 時間を忘れて寝るのすら忘れてしまう。 ……ヤバイな。俺。 これじゃ、ただの蘭花ファンじゃねぇか。 だから、仕事を持ち帰る事にした。 家でも仕事してればいいじゃねぇかと思った。 まぁ。前に会えない時もしたんだけど。 今日までにこれ済ませよう。 部屋に籠り仕事に没頭した。 そのままうとうと寝ていて気付けば朝。 慌てて仕事に行く。 家に書類を忘れた事に気付いた。 何やってんだかな。 社長室を出て家に向かう。
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