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俺は蘭花の成長を見るのが楽しみだった。
あいつを初めて見た瞬間から。
ずっと…。
小学校の頃。
毎朝、翔と蓮兜と学校に行っていた。
俺が迎えに行くんだけど、本当は蘭花を保育園まで見送る為。
俺達が行く時間に詩音さんも一緒に蘭花を保育園まで送って行っていたから。
蘭花が3歳で保育園に通い出してから毎日。
翔の家の玄関に行けば、組員がいつも翔を呼んでくれていた。
『若ー!!お友達が迎えにいらっしゃいましたよ!』
その声ではしって来るのは蘭花だった。
『たちゅにぃ~。』
まだ、たちつてとがはっきり言えない蘭花が俺の名を呼びながら毎朝出て来る。
俺に勢いよく抱きついてくる蘭花を抱き上げてた。
『蘭花お嬢は本当に竜君が好きですよね。』
組員が笑って言ってた。
その後に鞄を持って走ってくるのが詩音さんで。
『もう!蘭花!また鞄も持たないで!竜は逃げないわよ。ほらっ。鞄持って。翔~!早くしなさい!』
詩音さんに鞄を渡されるのは俺で。
抱っこしてる蘭花を下ろし鞄をかけて、靴を履かしてやっているとダルそうに来るのが翔だった。
『早くしなさい。翔。本当に竜を見習いなさい。蘭花の面倒見てるのいつも竜じゃないの。』
詩音さんに言われて朝から不貞腐れてる翔。
ブツブツと文句を言う翔をなだめるのが蓮兜だった。
蓮兜は俺より先に翔の所に来て翔を起こしていた。
翔は蓮兜が起こさなきゃ起きなかったから。
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