【右腕の男】

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蘭花の口から出た言葉に驚きを隠せなかった。  蘭花を苦しめた男。 戸田大和の名前。 聞けば、大和から電話が来たらしい。 何で蘭花の携帯の番号を知ってるんだ?  蘭花はそれは分からないと言った。 それより、リベンジしたいと言った蘭花に対し大和は条件を出してきた。 凄く言いづらそうな蘭花。 小さな声で呟くから聞こえねぇと言うと俺をチラッと見た。 そして、その条件をもう一度言った。 「…だから。…デート。デートしたら勝負やるって。」 ……はっ?デートだと? 『…何だそれ。勝負すんのにデートとか。おかしいだろ。バカじゃねぇのか。』 思わずつく悪態。 で?と聞くと、ん?と惚けた反応の蘭花。 ここで天然とかどうよ。 ん?じゃねぇよ。の俺の言葉に、気まずそうに仕方ないかなぁ~と思って。との蘭花の言葉。 引き受けたらしい。 ……マジかよ。 いつだ?と聞けば明日だと。 はっ?明日は取締役会だぞ。 眉間に更にシワが寄るのが自分でも分かった。 当の本人は、何を考えてるのか取締役会までに帰ってくれば…何て言いやがる。 『…お前さ。総取締役なんだぞ。分かってんのか?』 蘭花の態度に更に腹が立った。
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