【右腕の男】

4/16
前へ
/238ページ
次へ
俺の言い方が悪かった。 蘭花は仕方ないじゃない!と怒り、私は間違ってる?と言い出した。 間違ってない。 その為に悔しい思いをバネにここまでやって来たんだから。 俺もそれ、分かってたのに大和の名前を聞いてましてデートって聞いたもんだから冷静さに欠けていた。 蘭花に謝ると、竜兄の気持ちも考えずに返事をしてしまったと蘭花が言った。 俺の気持ちなんて考えなくてもいい。 蘭花の総取締役としての面子、それに何より蘭花の思いを大事にしてほしいから。 気を付けろよ。それだけ伝えた。 組長に報告しなきゃいけねぇな。 それから二人、蘭花の実家へと向かった。 組長も詩音さんも留守で、時間潰しに道場へ。 そこには新人君の姿があった。 蘭花が言っていた気配を消せるんだと。 しばらく見ていると、確かに凄い。 自在にコントロール出来る様になれば、かなり使える男になるだろう。 新人君が蘭花に気付き嬉しそうに話をしている。 問題児だった男をここまで手懐けた蘭花はまた凄いけど。 組員達が居なくなり二人で精神統一をしてから稽古をした。 ボクシングで相手をすると、何で出来るの?と蘭花。 見よう見まねだと言うと、見てただけで出来るとか。とぼやく蘭花。 俺のは真似事。 蘭花が本気でしたらあっという間に殺られるからな。 一頻り稽古をして満足したらしい蘭花。 シャワーを浴びたら組長が帰ってきたから、報告に行った。 組長も相手は敵だから気を付けろと言っていた。 その後、詩音さんにも土産を渡ししばらくゆっくり過ごす。 翔と蓮兜が忙しいらしく志稀の迎えに行くことになった。
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!

514人が本棚に入れています
本棚に追加