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「おい。お前ら。残念だが、ストリートファイトは解散だ。総取締役が話があるらしいから、中に来てもらおうか。」
俺の言葉に6人は黙ったまま俺の後についてきた。
倉庫内に入れば白いソファーに座る蘭花に声をかけ、6人を座らせた。
蘭花の話をジッと聞く。
蘭花の話はこうだ。
ストリートファイトの解散は勿論、このまま6人をほっとく訳にはいかない。
西極組に入るか格闘技の指導者になるか。
2択しかないと。
淡々と話をする蘭花。
戸惑っている6人。
その時、2階に寝かせておいた大和が意識を取り戻したのか降りて来た。
こいつらには極道は無理だと。
6人をそれぞれ紹介した大和が詳しく話を聞きたいと蘭花を促す。
蘭花曰く、蘭花が格闘技のジムを経営するから6人をそのジムの指導者にすると。
おいおい。
ちょっと待て。
俺はそんな話は聞いちゃいねぇぞ。
ってか、後で相談にのれとか。
蘭花さん?
ちょっと2階に来いと言えば顔がひきつる蘭花。
2階に行けばソファーに座る俺と目を合わさず入り口に立ったままの蘭花。
何言われるか分かってるらしいな。
どういう事か説明しろ。と言えば、格闘技ビルを経営したいと言い出しやがった。
そこで。と言いながら俺の隣に座りニッコリ笑いながら蘭花は言った。
『輝条くん。私に融資してみませんか?』
…はっ?
何言ってんだ?と呆れた視線を送れば、私を担保に融資をしてくれと言う蘭花。
おもしれぇじゃねぇか。
やってやろうか。
その代わり2年で経営を軌道にのせろ。と条件を出す。
蘭花は大丈夫だと自信満々だ。
まぁ。こいつが本気出せば大丈夫なんだろうが。
6人の事は分かった。
だけど、大和はどうすんだ?
聞けば、大和に関しては別に考えていると。
その為に、少しだけ大和と二人で出掛けると言い出す蘭花に眉間にシワを寄せた。
何考えてんだ?!
でも、蘭花は私を信じて待っていてくれと言う。
……またか。
信じてねぇ訳じゃ無い。
だが、心配なんだよ。
蘭花は大和を連れて行かなきゃいけない所があると言った。
そうじゃなきゃ前に進めないんだと。
不安を隠す様に蘭花に言った。
じゃ、帰ったらサービスしてな。
ニヤリと笑う俺にブツブツと文句を言っている蘭花。
そうでも言わなきゃ蘭花も俺を気にしてしまうから。
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