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「……皆がね…。私の髪…変な色だって言うの。…竜兄。…私の髪は変な色なの?おかしいの?」
…誰がそんな事を!
すげぇ腹が立った。
『蘭花。誰がそんな事言ったんだ?クラスの奴か?いいか。蘭花。お前の髪はすげぇ綺麗なんだ。どこにもこんな綺麗な髪の奴は居ない。羨ましいんだよ。綺麗過ぎて。蘭花は可愛いし、蘭花の髪は綺麗だから、皆は羨ましいんだ。分かったか?変な髪なんかじゃない。俺は大好きだぞ。蘭花の髪。なっ?』
蘭花は俺をじっと見て頷いた。
次の日に、蘭花のクラスに乗り込み蘭花の髪を馬鹿にした奴を怒鳴りつけた。
蘭花の担任が驚いて俺を止めたけど、俺が説明すると担任がこれからは同じ事が無いようにしっかり見ておくと約束した。
それからは蘭花に聞いても、そう言う事は無くなったって言ってたから安心したんだ。
だけど、それがあってから蘭花は今まで気にしていなかった事を気にする様になった。
いくら周りが綺麗な髪だと言っても、前の様に嬉しそうに笑わなくなった。
俺は蘭花の笑顔が大好きだったから、どうにかしないといけない、と考えたんだ。
そして、考え付いたのが蘭花と同じ髪の色にする事。
一人じゃないんだと蘭花に言ってやりたかった。
近くの美容室に行って色を抜いて染めてもらった。
それが小6。
染めて直ぐに蘭花の所に走った。
蘭花は驚いてしばらく固まっていたがおれを見て満面の笑みで言ったんだ。
「竜兄。格好いいね。」
って。
久しぶりに見た蘭花のすげぇ可愛い笑顔。
俺は嬉しくて、こいつの笑顔は俺が一生守るって自分の髪に心に誓った。
それから、ずっと俺の髪は銀髪。
蘭花みたいに綺麗なプラチナシルバーの髪じゃないけど、それでも蘭花と同じだと思うと嬉しかった。
そして、蘭花も嬉しそうだった。
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